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【禁聞】中国で不良債権急増 処理会社が大儲け

2014年09月03日

【新唐人2014年9月3日】中国には、国有銀行の不良債権を処理する金融会社がありますが、そのうちの1つ、華融が投資ファンドから24億ドルも調達しました。その一方、同じく不良債権の処理会社で去年、香港に上場していた「信達」は、8月28日、株価が急落しています。

 

不良債権処理会社の正式名称は、「資産管理公司」です。中国では以前、四大国有銀行それぞれに対応する資産管理公司が設立され、銀行の総資産の15パーセントに当たる不良債権を引き受けました。華融は中国工商銀行、信達は中国建設銀行、長城は中国農業銀行、中国東方は中国銀行に対応しています。

 

華融によると、華融への投資には世界の投資ファンド80社以上が興味を示し、最終的に21パーセントの株式を売り、24億ドルを調達しました。買い手は中信(ちゅうしん)証券、中国国際金融有限公司(CICC)、ゴールドマン・サックス、ウォーバーグ・ピンカスなどです。また華融は今年中に、香港で上場する予定です。

 

不良債権処理会社は、国有銀行から不良債権を格安な値段で買い取ってから処理をし、利益を得ます。中国農業銀行と中国銀行はそれぞれ、今年上半期の不良債権、83億元分と70億元分を売却しました。このほか華融は7月、ドル債券の売却により、15億ドルを調達しています。

 

中国経済は成長が鈍化しているにもかかわらず、金融機関の不良債権は急増しています。そこで、不良債権を処理する華融や信達に投資が集まるのです。専門家はこれについて、国有銀行は中国で独占的な地位にあり、何もしなくてもお金を稼げるので、投資家は不良債権処理会社にも信頼感を持つと分析しました。

 

「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、不良債権処理会社は目下、業務の範囲を広げており、ほぼすべての金融の領域に進出しています。例えば華融は、証券、保険、リースなどの分野でいずれも子会社があります。

 

経済コラムニスト 段紹譯氏

「不良債権処理会社の投資の方向性は2つ、第一 銀行の設立。第二 不良資産の買収です。中国は今 経済情勢が悪いので、多くの企業が倒産するでしょう。倒産したら、第一 資産の整理。第二 資産の安売りがあります。処理会社が十分な資本を吸収したら、市場で優位になり、よい投資機会も得られます」

 

不良債権処理会社の中で、最初に香港に上場したのは信達です。去年12月に上場してから最初の2か月で、信達の株価は50パーセントも上がりしましたが、今年は逆に18パーセントも下落しました。これについて専門家は、信達などの資本管理会社は実際のところ国有企業だが、国有企業は将来に期待が持てないと述べます。

 

経済コラムニスト 段紹譯氏

「国有企業は効率が悪いので、実際の経営において、よい効果はあまり得られません」

 

「フィナンシャル・タイムズ」の報道によると、中国では90年代末、政府のかけ声のもと、過剰な融資が行われた結果、国有銀行の不良債権率は40パーセントに達しました。これを受け、政府は1兆4000億元の不良債権を銀行から切り離し、新たに設立した不良債権処理会社に処理させました。その後、不良債権処理会社は、政府から数千億元の援助を受け、株式を外国の投資家に販売しましたが、最終的には4社とも香港に上場する予定です。とはいえ、政府はなお多くの株式を保有しており、会社を支配しています。

 

中国の銀行大手・数行が提出した報告書によると、今年の上半期は不良債権が急増しています。これを受け現在、中国の大手銀行の取引価格は、帳簿価格より低くなっています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/09/01/a1134892.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/萩野 映像編集/李)

 

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